「商品責任者の後任は置かない」。lululemonは2024年、そう発表していた。その会社が10月7日、President兼最高商品責任者を新設し、デザインと品ぞろえを一人の下に集めると明らかにした。新CEOのHeidi O’Neill氏が変えるのは、幹部の顔ぶれだけではない。デザインと品ぞろえの判断を、誰の下に集めるかが変わる。
新たな責任者には、Athletaの社長兼CEOを務めていたMaggie Gauger氏が10月26日付で就く。担当するのは、デザイン、品ぞろえを決めるマーチャンダイジング、靴、新商品の開発、素材科学だ。既存のデザインとマーチャンダイジングの幹部も、同氏へ報告する体制になる。
2024年の再編は違った。2024年5月、最高商品責任者Sun Choe氏の退任に合わせ、会社は後任を補充しないと発表。デザインや開発を率いるJonathan Cheung氏はCEOの直属とし、品ぞろえ、靴、商品運営はブランド責任者のNikki Neuburger氏へ加えた。商品を形にする仕事と、ブランドや販売に近い仕事を、別々の上司が担う設計だった。
当時の会社も、商品革新の加速を目的に挙げていた。今回も目的は商品力の強化だが、そのための責任の置き方は同じではない。新しい役職は以前と完全に同一ではないものの、デザインと品ぞろえの判断を一人へ集めることは、二つの公式発表を比べて分かる変化だ。
背景には弱い売上がある。2026年度第2四半期、8月2日までの四半期売上は前年同期比4%減の約24億ドルで、米州は8%減だった。ただし、この数字だけで2024年の組織変更を不振の原因とは言えない。Retail Diveが2025年9月に取材した小売専門家Liza Amlani氏は、同社が既存の商品群に頼りすぎていると指摘していた。同記事は競合AloやVuoriの存在も取り上げている。商品の内容や競争相手という課題も残る。
一方、調達、生産、物流といった仕事は、別の責任者に置く。同じ10月26日に新設のCOOへ就くJoseph Godsey氏は、Walmart Canadaの幹部だった。担当には商品化と市場への投入も含まれる。デザインや品ぞろえを決めるGauger氏と、その商品を生産して市場へ出すGodsey氏という分担だ。商品をめぐる権限を、すべて一人へ集めるわけではない。
販売時の伝え方を担う最高ブランド責任者は、まだ採用中だ。マーケティングや広告制作、店頭体験、コミュニティー活動を受け持つ予定で、それまではCFOのMeghan Frank氏が暫定的に見る。2024年にはブランド責任者へ寄せていた品ぞろえの判断を、今回はデザインと同じ責任者へ集める。組織全体の人選が終わる前に、まず商品を選ぶ側と、その魅力を伝える側の分担を置き直した。
SOURCESこの記事の情報源
- lululemon公式・新経営体制発表(Business Wire) ↗ — 一次情報
- Retail Dive・10月7日の経営体制報道 ↗ — 報道・専門媒体
- SEC掲載・lululemonの2024年組織発表 ↗ — 一次情報
- lululemon公式・2026年度第2四半期決算 ↗ — 一次情報
- Retail Dive・2025年の品ぞろえ問題への独自取材 ↗ — 報道・専門媒体



