中古家具に買い手がつくのを待つか、IKEAの買い取りを使うか。IKEAの店舗運営会社Ingka Groupは10月7日、この二つを同じ中古マーケットプレイスから選べるようにする試験を発表した。スペインとポルトガルで、2026年12月末までに始める予定だ。
対象の商品を出品すると、掲載中にIKEAからも買い取り額の提示を受けられるようにする。売り手は別の利用者へ売ることも、IKEAの店に持ち込んで買い取りを完了することも選べる。
中古の取り扱いそのものは、新しくない。IKEAは既に店頭での買い取りと、利用者同士が売買する場の両方を持つ。ポルトガルでは2025年4月に個人間売買の開始を発表していた。今回の差分は、先行する二か国で出品と買い取りをつなぎ、同じ家具の売り方を比べられるようにする点だ。
ただし、二つの金額をそのまま比べればよいわけではない。個人に売った代金は銀行口座へ振り込んでもらえる。IKEAで使えるカードを選べば15%分が上乗せされるが、ポルトガルの規約では、そのカードはこの中古マーケットプレイスでの購入には使えない。使い道はIKEAの店舗や通販になる。15%の特典は、ポルトガルでは2025年に既に案内されていた。
一方、両国の既存の買い取りサービスでは、代金はIKEAのカードで受け取る。家具は組み立てた状態で店へ運び、そこで状態を確認してもらう必要がある。ネットで出た見積もりが、そのまま確定額になるわけではない。店頭の査定で金額が変わる場合があり、対象や状態の条件も残る。
引っ越しのため早く家具を手放したくても、組み立てたまま運ぶ車がなければ、持ち込みは難しい。現金が欲しい人と、次の家具もIKEAで買う人では、同じ金額のカードの使い勝手も変わる。買い取り額の提示は、そうした条件も含めて、買い手を待つかどうか考える材料になる。
IKEAが引き受ける負担も違う。Ingkaの担当者は2025年7月の自社インタビューで、個人間取引では家具の在庫が売り手の手元に残ると説明していた。買い取りを選べば、家具はIKEAが引き受けて再び売る。カードで代金を受け取った人が次にIKEAで買い物をすれば、中古の売買から同社の売り場へ客が戻る余地もある。
発表では、今回の接続で何日早く売れるのか、いくらの追加費用がかかるのかは示していない。売り手が同じ出品画面で比べることになるのは、家具についた値段に加え、店へ運ぶ手間と、代金を何に使えるかだ。入口は一つになっても、選ぶ条件は同じにはならない。



