床材を並べる工程をロボットに任せ、置いた面積に応じて代金を払う。米Human Friendly Robotics(HFR)は10月6日、施工会社Flooring Concepts of NJと3年間、最大400万ドルの契約を結んだと発表した。ニューヨーク州など米北東部の工事に、床材配置ロボット「Tyler」を投入する計画だ。

買い手の施工会社には、2028年に予定する工事もあるという。既存の職人で受け持てる仕事を増やすことが導入の狙いだ。発表文に寄せたジョン・パイロット社長の説明では、機械を購入する代わりに、施工面積に応じて支払う。3年間の契約で示された400万ドルは、その上限額に当たる。

Tylerが担うのは、床工事のうち床材を繰り返し並べる工程だ。9月29日付の業界紙Floor Covering Newsによると、まず職人が最初の一列を設置し、向きや位置を決める。Tylerはその列を基準に、次の床材を置く場所を計算する。最初の位置決めには職人の判断を使い、それに沿って配置を続けるところを機械に任せる仕組みだ。

職人には、下地を整え、材料を用意し、壁際などに合わせて切断する仕事が残る。端部の処理、仕上げ、品質確認も人が担う。契約発表によれば、操作は訓練を受けた職人が行え、ロボットの専門知識は要らない。現場の班がTylerを動かしながら、前後の工程をつなぐ。

今回、施工能力の対象として挙がっているのはLVTと呼ぶ塩ビ系の床タイルだ。HFRの製品ページは、接着式LVTで職人1人が手作業する場合に比べ、Tylerを操作する1人の日量を約2倍としている。材料によって倍率は異なり、日量は時間当たりの配置能力を一勤務分へ換算した同社の推計だ。現場全体の仕事量は、この配置に下地づくりや端部処理をどれだけ円滑につなげられるかにも左右される。

面積当たりの料金も、そうした分担と結びつく。HFRが公式サイトで掲げる目標は、Tylerの作業について1平方フィート当たり1.50ドルで、今回の契約単価は未公表だ。施工会社の見積もりには、ロボットへの支払いに加え、準備や切断、仕上げを担う人の費用が残る。機械購入の負担を避けながら、必要な配置作業を発注する形になる。

施工をサービスとして提供する方式は、豪FBRが2021年に公表した住宅8戸の工事契約にもみられる。FBRはロボットによる壁の施工などを請け負った。HFRは床材を並べる工程を既存の施工班へ組み込み、特定の顧客に3年間提供する契約へ進んだ。

最低購入量や、施工を完了と認める条件、手直し費用の負担は、今回の発表では明かされていない。受注した床工事を、同じ班でどこまで進められるか。3年間の契約の成果は、Tylerが置く面積とともに、人の工程まで終えて次の現場へ移れる速さに表れるはずだ。

SOURCESこの記事の情報源

  1. HFR契約発表(PR Newswire配信) ↗ — 一次情報
  2. HFR Tyler製品ページ ↗ — 一次情報
  3. HFR公式サイトの価格目標と作業範囲 ↗ — 一次情報
  4. Floor Covering News:HFR CEO取材記事(9月29日) ↗ — 報道・専門媒体
  5. FBR:住宅8戸のWall as a Service契約(2021年) ↗ — 一次情報