給油所に着く前に、隣の店との値段の差が分かる。Googleは10月8日、英国のGoogleマップに給油所の価格を表示する機能を追加したと発表した。その情報を支えるのは、地図の技術だけではない。英国では店側に、値段を変えたら30分以内に報告する義務がある。

Googleの説明によると、地図でガソリンや燃料を検索すると、近くの給油所の価格が表示され、油種ごとの値段も見られる。英国政府は、Googleマップでこうした最新価格を見られるようになったのは今回が初めてだとしている。普段の移動に使う地図が、そのまま店を比べる場所になる。

価格の供給元は、政府のFuel Finderだ。2月2日から給油所は価格変更を30分以内に報告しなければならない。Googleが店を一軒ずつ回って値札を集めたという話ではなく、売る側が更新を担う制度が先に動いていた。政府の10月8日発表では、報告データがカバーする燃料は英国の道路向け販売量の約99%に達したという。これは店舗数の99%という意味ではない。

安い店を探す機能そのものは、新しい発明ではない。政府の3月31日発表には、PetrolPrices.comやRAC Fuel Watchなど、同じデータを使う比較サービスがすでに並んでいた。10月の発表も、Wazeなどで先に使われていると明記する。今回の変化は価格比較を始めたことより、同じ情報をGoogleマップからも見られるようにしたことにある。

このデータはGoogle専用でもない。政府は比較サイトやアプリ開発者に加え、研究者や個人にも提供窓口を開いている。受け取れるのは油種別の価格、店の所在地、営業時間、更新時刻など。開発者は利用登録と認証を経て自分のサービスへ組み込める。価格情報を一から集める仕事を共通化し、各社がそれをどう見せるかを競える形だ。

ただし、「30分以内」は店が価格変更を報告する期限だ。Googleの発表は、マップの表示が何分ごとに更新されるかまでは示していない。報告義務があっても、店頭の値段と手元の画面がいつも一致するとは限らず、政府は不一致を通報する窓口も設けている。

政府が見込む節約額は、自動車を持つ世帯あたり年平均40ポンド。ただし、3月から示していた制度全体の試算で、Googleマップに価格を載せた後の実績ではない。どれだけ買い方が変わるかは、これから確かめることになる。

英国の給油所は、価格を変えたら国の仕組みに報告する。その情報を、価格比較サイトもGoogleマップも使う。今回、検索できる場所は増えたが、Googleだけが持つ価格情報が増えたわけではない。店ごとの価格を各社が集め直さなくても、同じデータを使って給油先を選ぶサービスを作れる。この共通の土台が、普段使う地図にも届いた。

SOURCESこの記事の情報源

  1. Google:英国の燃料価格表示の発表 ↗ — 一次情報
  2. 英国政府:Googleマップへの価格表示開始 ↗ — 一次情報
  3. 英国政府:給油所の価格報告方法 ↗ — 一次情報
  4. 英国政府:3月の運転者向け案内 ↗ — 一次情報
  5. 英国政府:データの利用方法 ↗ — 一次情報
  6. 英国政府・3月31日時点の利用サービスと節約見込み ↗ — 一次情報