NBAとの協業案を断った欧州のバスケットボールリーグが、自らフランチャイズ化を進めている。新しいクラブをどんな条件で迎え、その参加権にいくら払ってもらうか。そこには、NBAとの協議とは別に、すでに動き始めた商談がある。
米スポーツ経済メディアFront Office Sports(FOS)は10月6日、EuroLeagueの株主クラブがNBAの最初の協業提案を拒否したと報じた。同誌が取材した関係者によると、低すぎる評価額に加え、EuroLeagueの拡張計画を停止する条件が反発を招いた。提案書の詳細は公表されておらず、拒否の理由と条件はFOSの取材に基づく。
同日の公式声明が確認できるのは、別の二つの動きだ。既存の13株主クラブが持つ10年ライセンスをフランチャイズへ転換する手続きと、新規フランチャイズを増やす審査を続ける。最終案は数週間以内に承認へかけるとしており、新しい加盟先まで決めたわけではない。別の公式発表では、転換後の仕組みを恒久的なフランチャイズと説明している。10年の期限がある参加ライセンスから、恒久的な加盟資格を持つ構想への転換だ。声明にはNBA案の拒否という記述はない。バルセロナも翌7日、現案の拒否と修正案の再検討をAPに伝えた。
この方針は、NBAへの反発で急に生まれたものではない。EuroLeagueは7月に新規フランチャイズの募集を始めた。2027–28年シーズンに最大8枠を与える計画と並行し、既存13クラブのライセンスを転換する方針を公表していた。既存クラブから転換時の加盟料は取らない。新規加盟者の料金は、市場の重要性、ファン基盤、既存クラブか新設プロジェクトかなどを踏まえ、個別に決めるという。
長年リーグを支えたクラブには、追加の加盟料なしで長期的な立場を与える。外から入る投資家には、その立場を有料で提供する。少なくともこの設計では、フランチャイズ化そのものを嫌っているとは読めない。誰が新しい参加者を選び、どんな条件を付けるかが、既存オーナーの利害になる。
8月の公式発表は、募集が単なる構想から先へ進んでいたことを示す。一次審査を通った11候補が拘束力のある正式提案を出す段階にあり、提案された加盟料の合計は約7億ユーロとされた。ただし、これは受け取った現金ではない。候補は追加審査の対象で、最終承認も残っていた。拡張を止めれば、こうして条件を詰めている相手との交渉も待たせることになる。
さらに7月の発表では、ローマ、ベルリン、ロンドンの投資家やプロジェクトから応募があると説明していた。FOSは、NBAとEuroLeagueが狙う市場には重なりがあると報じている。NBAの条件に応じて自前の拡張を止めれば、候補都市や投資家との商談も待たせることになる。評価額だけを引き上げれば済む交渉とは限らない。
もっとも、NBAとの協力を永久に断ったと捉えるのも早い。NBAと国際バスケットボール連盟FIBAは、2025年3月に欧州の新リーグの共同検討を発表していた。その構想も恒久的な参加チームと競技成績による出場経路を組み合わせるもので、参加資格の設計は両陣営に共通する課題だ。NBAは9月、合意の有無にかかわらず2027年に欧州で始動する方針を示している。
一方、EuroLeagueは10月の会合でも新規加盟の最終承認に向けた審査を続けるとした。自前で拡張する道を残しながら、交渉を終わらせてもいない。これから決まる加盟クラブとその条件は、NBAとの協業を待つ間の準備では済まない。それ自体が、将来NBAと組むときに持ち寄るリーグの中身を変えていく。
SOURCESこの記事の情報源
- Front Office Sports:EuroLeague Rejects NBA’s Initial Offer to Collaborate ↗ — 報道・専門媒体
- Euroleague Basketball:10月6日の株主会合声明 ↗ — 一次情報
- Euroleague Basketball:フランチャイズ募集開始の発表 ↗ — 一次情報
- Euroleague Basketball:8月25日の戦略・加盟審査状況 ↗ — 一次情報
- NBA・FIBA:欧州新リーグ共同検討の公式発表 ↗ — 一次情報
- NBA:9月の理事会後のコミッショナー会見 ↗ — 一次情報
- AP(The Washington Post掲載):バルセロナへの確認取材 ↗ — 報道・専門媒体
- Euroleague Basketball:恒久的フランチャイズへの転換方針 ↗ — 一次情報




