好きなメーカーの靴を履くことと、その社名を見せることは、NFLでは別の話になる。11月2日のシアトルでの試合に、シカゴ・ベアーズのクォーターバック、ケイレブ・ウィリアムズは目立つロゴのない黒いスパイクで出場した。それまでCaddixのロゴを見せて受けた罰金は、2試合で計3万5823ドルに達していた。
米スポーツビジネス媒体Front Office Sports(FOS)の11月3日の報道では、この日もCaddix製を履いていたとみられる。選手が別のメーカーに乗り換えたという話ではない。争点だった表示を見えなくし、靴を履き続ける道を選んだ。
NFLの2026年規則は、試合当日に観客やテレビに映る選手が、事前承認のない企業名やロゴを表示することを禁じている。対象はプレー中だけではなく、試合前のウォームアップや試合後のインタビューにも及ぶ。
FOSによると、認められた靴の供給元はNike、Adidas、Under Armourなど。別の会社の靴を選ぶ余地はあるが、その場合は見える社名やブランド表示を取り除くか、覆う必要がある。選手の足に合う道具を選ぶ余地と、メーカーが試合で名前を売る権利が、ここで切り分けられている。
この区別は、10月の対立を知ると分かりやすい。ウィリアムズは目立つロゴの付いたCaddixを履き、最初に1万1941ドル、次にその倍の2万3882ドルの罰金を科された。11月2日はロゴを見せない姿で登場した。ルールが変わったのではなく、選手側が表示を変えたのだ。
地元紙Chicago Sun-Timesによると、ウィリアムズはCaddixを含め、靴メーカーとスポンサー契約を結んでいない。好きな靴を選べるようにするためだという。報酬と引き換えに履いている選手の話とは、出発点が違う。
一方、Caddixはこの騒ぎを広告に使った。同紙は、同社が罰金を負担すると伝える看板をシカゴに出したと報じている。ロゴのない靴での登場にも、同社はSNSで「ロゴは必要ない」と反応した。靴の表面から社名が消えても、なぜ消えたかという話には社名が残る。
ただし、本人が望んでいたのは対立の拡大ではない。試合後には騒ぎを落ち着かせ、チームへの影響を小さくしたかったと説明した。企業には宣伝の機会でも、選手には試合以外の質問を受け続ける負担になる。
今回の露出がCaddixの売り上げにどれだけつながったかは、確認した資料からは分からない。分かるのは、靴を使う選手、ロゴを見せたいメーカー、表示を管理するリーグの利害が、同じではないことだ。ウィリアムズは黒い一足で試合を続け、Caddixはそのロゴが見えないことまで発信材料にしている。
SOURCESこの記事の情報源
- Front Office Sports — Caleb Williams Wears Cleats With No Visible Logos After NFL Fines ↗ — 報道・専門媒体
- NFL — 2026 Official Playing Rules(Rule 5, Section 4, Article 7) ↗ — 一次情報
- Chicago Sun-Times — Bears notebook: Caleb Williams wears logo-less Caddix cleats ↗ — 報道・専門媒体
- NFL Football Operations — Uniform Inspections ↗ — 一次情報




