米国のコーヒー器具売り場で、同じ「プラスチック不使用」を掲げる商品が競っている。Keurigがなくしたのは、一杯ごとに捨てるコーヒーの容器。調理器具ブランドCarawayが変えたのは、水をためてから抽出するまでの、飲み物が触れる素材だ。どちらもプラスチックを減らすが、買い手に約束していることは違う。

10月8日付のModern Retailの開発者取材によると、Keurigは10月1日に新型「Alta」の限定先行予約を始め、数日で完売した。Carawayのコーヒーメーカーも9月22日の発売から一週間以内に売り切れたという。用意した台数は示されていないため、大きな市場が成立した証明にはならない。それでも二社は、従来のコーヒー器具を選ばなかった人に向けて、別々の入口を用意している。

Altaに入れる「AltaRounds」は、ひいたコーヒーを固め、植物由来の被膜で保護したものだ。公式ページによれば、このコーヒーを使えるのはAlta専用機だけ。一杯分を機械へ入れる手軽さは残し、使い捨てる容器の方を変える。抽出のたびに専用のコーヒーを買う仕組みまで、なくなるわけではない。

発想自体は今年生まれたものではない。Keurigは2024年に新方式を発表し、スイスDelicaのCoffeeBで使われる被膜などの技術について、米国・カナダ・メキシコでの独占利用権を得たと説明していた。Lavazzaも2025年、コーヒーだけを固めたタブと専用機を組み合わせる「Tablì」を発表している。Altaは、カプセルをなくす試みが先行していた市場に加わった製品だ。

Keurigの開発責任者は今回の取材で、プラスチックごみへの懸念が、K-CupやKeurigを使い始めない理由になっていたと説明した。狙いは既存の利用者の買い替えだけにとどまらない。便利さを知っていても容器のごみが気になっていた人に、同じ一杯ずつの飲み方を提案できるようになる。

Carawayは、専用の一杯分をつくる方式ではなく、粉をフィルターに入れるドリップ式を選んだ。製品仕様では、貯水タンクとポットはガラス、水の通り道や湯を注ぐ部分、抽出バスケットはステンレス。繰り返し使うフィルターもステンレス製だ。飲み物が通る経路にプラスチックを使わないことを売り物にしている。

使い終わった容器を減らしたいのか、湯が触れる素材を選びたいのか。「プラスチック不使用」という表示だけでは、この違いは消えてしまう。Keurigの説明はAltaRoundsについてのもので、機械全体からプラスチックを除いたという意味ではない。Carawayが公表しているのも、まず抽出経路の材質だ。どちらの説明も、それだけで健康への効果や製品全体の環境負荷を証明するものではない。

Altaは、従来のK-Cupも使える仕様を残している。新しいコーヒーは新しい機械だけに対応するが、新しい機械は以前のカプセルを受け入れる。Keurigは使い捨て容器を避けたい客への入口を広げながら、今まで買っていたコーヒーを飲み続ける選択肢も手放していない。

SOURCESこの記事の情報源

  1. Modern Retail・プラスチック不使用コーヒー器具の開発者取材 ↗ — 報道・専門媒体
  2. Keurig Alta・公式製品ページと互換性FAQ ↗ — 一次情報
  3. Caraway・10-Cup Coffee Makerの材質仕様 ↗ — 一次情報
  4. Lavazza・Tablìの2025年発表 ↗ — 一次情報
  5. Keurig Dr Pepper・新方式の2024年発表とDelica技術契約 ↗ — 一次情報