ブラジルで開いた試合を、米国で平均2,490万人が見た。 9月27日にリオデジャネイロで行われたNFLのレイブンズ対カウボーイズ戦について、米CBSが29日に公表した数字だ。Front Office Sportsによると、1980年代後半までさかのぼる記録で、海外開催のNFL戦として最多となった。
この数字が示すのは、ブラジルでアメリカンフットボールの人気が急増したことではない。数えているのは米国向け中継の視聴者だ。遠くで開く試合を、母国でどう見てもらうか。その組み立てが、今回の記録の背景にある。
CBSは試合を、米国の日曜午後の遅い時間帯に全国中継した。NFLで多くの視聴者が集まる放送枠だ。リオと米東部の時差は、この時期には1時間。欧州開催と比べると、現地の試合時刻と米国の見やすい時間を合わせやすい。
偶然うまくはまった放送枠でもない。5月の対戦日程発表時点で、このブラジル戦はCBSの日曜午後に置かれていた。従来、海外開催の試合は米国では日曜朝にNFL Networkで見る形が中心だったが、2026年は主要放送ネットワークが海外戦を扱い、午後や夜の目立つ枠にも試合が入る。海外開催を増やすのと並行して、米国向けの届け方も変えている。
一方、Sports Media Watchによると、前年の同じ週の全国放送枠は平均2,547万人だった。海外戦として最多でも、例年の有力な放送枠を上回ったわけではない。対戦カードや試合展開も異なるため、ブラジル開催が視聴者を増やした、とまでは言えない。
ただ、海外開催の採算を考えるうえで、米国の視聴者を維持できるかどうかは外せない。現地で新しいファンをつくるために試合を移しても、母国で見づらい時間になれば、放送する側には不利が生じる。リオでは、海外に会場を移しながら、米国の日曜の視聴習慣に収めることができた。
現地の市場を育てるには時間がかかる。その間も、本国の大きな視聴者層に見てもらえる開催地を選ぶ。今回の一戦からは、そうした海外展開の条件が見える。地図上の距離よりも、テレビの前で何時になるかが、開催地の価値を左右する。
SOURCESこの記事の情報源
- Front Office Sports・9月29日の視聴者数報道 ↗ — 報道・専門媒体
- Front Office Sports・5月13日の放送日程報道 ↗ — 報道・専門媒体
- Sports Media Watch・前年の放送枠との比較 ↗ — 報道・専門媒体




