仕事はアプリから届く。その仕事を受けられなくする判断まで、機械に任せてよいのか。中国の人力資源・社会保障部は10月8日、配達員や配車サービスの運転手など、プラットフォームを通じて働く人を守る規則案を公表した。アカウント停止などを決める前に、原則として人が事実と根拠を確かめるよう求めている。
「新就業形態労働者権益保障弁法」の草案で、意見募集は11月8日まで。施行日はまだ決まっていない。第29条が対象にするのは、仕事の割り当て停止やアカウント封鎖など、働き手の重大な利益に関わる決定だ。公共の安全・利益に関わる重大な緊急事態では自動判断を認めるが、その場合も速やかに人が再審査する案になっている。
働き手が異議を申し立てる窓口にも、回答期限を置く。報酬、勤務時間、評価、アカウント封鎖などに異議が出た場合、企業は48時間以内に人が回答し、異議が認められれば速やかに訂正する。48時間以内の解決やアカウント復旧を約束する規定ではない。それでも、回答する主体を人と定め、返答までの時間を明示している。
判断に使われた記録が、会社側にしか見えなければ異議は伝えにくい。草案は、働き手がアプリなどから自分の完全な勤務記録を閲覧・ダウンロードできるようにし、企業には離職後も最低2年間の保存を求める。
中国でアルゴリズムの判断に人を介在させる動きは、今回始まったわけではない。3月の労働ルール・アルゴリズム協議指針は、アカウントを止める条件や人の介入、異議申立ての仕組みを、企業と働き手側が話し合う事項に挙げていた。湖北省総工会によると、8月には配車サービスの風韻出行が、システムによる責任判定を人が再確認する仕組みの導入を、協議の場で約束した。
3月の指針が協議の議題や進め方を定めたのに対し、今回の草案は、重大な決定前の審査や48時間以内の回答という手続を条文で示した。個社の協議で約束することに加え、対象企業が共通して従う規則にしようとしている。
ただし、アプリで働く人を全員、社員として扱う案ではない。草案は雇用関係が成立する場合と、それには当たらなくてもプラットフォームが労働を管理する場合を分ける。個人が自主的に営む事業や自由業は対象外だ。雇用関係が成立しない働き方でも、企業が労働を管理する場合は、アカウント停止など重大な利益に関わる決定を、原則として人が事前に審査するよう求める案だ。
SOURCESこの記事の情報源
- 新疆人社庁|新就業形態労働者権益保障弁法(意見募集稿)全文 ↗ — 一次情報
- 界面新聞|プラットフォーム労働者の権益保障案 ↗ — 報道・専門媒体
- 広元市人社局|労働ルール・アルゴリズム協議指針(試行) ↗ — 一次情報
- 湖北省総工会|風韻出行のアルゴリズム協議 ↗ — 一次情報
- 司法部・智慧普法|新規則案の意見募集開始 ↗ — 一次情報




